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統合失調症

統合失調症とは

 統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。

 多くの精神疾患と同じように慢性の経過をたどりやすく、その間に幻覚や妄想が強くなる急性期が出現します。

 新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できるようになりました(WHO 2001)。

以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、「統合失調症」へと名称変更されました。

統合失調症の症状

 

<陽性症状>

 幻覚と妄想は、統合失調症の代表的な症状です。幻覚や妄想は、他の色々な精神疾患でもみられますが、統合失調症の幻覚や妄想には一定の特徴があります。幻覚と妄想をまとめて「陽性症状」と呼ぶことがあります。

 

幻覚:実際にはないものが感覚として感じられることです。

統合失調症で最も多いのは、聴覚についての幻覚、つまり誰もいないのに人の声が聞こえてくる、ほかの音に混じって声が聞こえてくるという幻聴(幻声)です。

 

妄想:妄想とは、明らかに誤った内容であるのに信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられない考えのことです。

 

<陰性症状>

 感情の起伏が平板化する、発想や会話の内容・幅が思しくなる、意欲の低下によって入浴や洗面などの身辺の清潔も構わないといった症状です。また、他人の感情や表情についての理解が苦手になり、相手の気持ちに気づかなかったり、誤解したりすることが増えます。こうした感情の障害のために、対人関係において自分を理解してもらったり、相手と気持ちの交流をもったりすることが苦手となります。無口で閉じこもった生活になる場合もあります。

 

<会話や行動の障害>

 会話や行動のまとまりが障害される症状です。日常生活では、話題が途中でそれる、つながりがなくなる、行動にまとまりがない、話していることとすることが一貫しないなどの形で現れます。症状が極端に強くなると、会話や行動が滅裂に見えてしまうこともあります。

  

<病識の障害>

 病識とは、自分自身が病気であること、あるいは幻覚や妄想のような症状が病気による症状であることに自分で気づくことができること、認識できることをいいます。

統合失調症の場合には、この病識が障害されます。幻覚や妄想が活発な時期には、それが病気の症状であるといわれても、なかなかそうは思えず、症状が強い場合には、自分が病気であることが認識できない場合もあります。

 

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