理事長ブログ
理事長の一言 「精神科医療の新しい話題」は下にスクロールして下さい。
令和元年も終わり、五稜会病院は”ONE TEAM”
今年の流行語大賞は ”ONE TEAM” になりました。日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチが、就任して1カ月後の新旧が混在していた欧州遠征メンバーに「一体感のある組織を目指そう」と呼びかけたことに始まるそうです。
一方、私たち五稜会病院での医療を中心とした業務は、医師だけではなくで看護師、薬剤師、臨床心理師、精神保健福祉士、作業療法士、事務、総務、掃除のおねえさん?など多職種が関わっています。言葉だけではない、如何に良い ”ONE TEAM” を創るかが大事かと思っています。多職種が気軽に相談できる環境創り、多職種連携が五稜会病院の大切にしているところです。
ブラックアウトから1年
昨今、日本では台風による千葉県の大停電や九州や中国地方の大洪水による建物の損壊など、尋常でない被害があります。被災地の皆様にはお見舞い申し上げます。災害には普段の訓練が必要です。以前にも、平日の夕方に病院近くの電柱に雷がおちて停電になったことがあり、その時の対応が非常に役に立ちました。この時にも階段での配膳リレーが行われました。
災害は忘れた頃にやってくるという格言があります。昨年の災害を思い起こしながら、停電になったときの対処について日頃からの準備をしたいと思います。
第8回日本精神科医学会学術大会(北海道)無事終わる
「風」の力
風力発電をみていると、昔のテレビドラマ「北の国から」を思い出します。テーマ曲は、さだまさしさんのあの歌「ララーラララララーラ」です。ドラマでは、田中邦衛さん演じる黒板五郎さんが、自宅の屋根に風力発電を作って、子供の頃の淳君(吉岡秀隆さん)、蛍ちゃん(中嶋朋子さん)が自宅に電灯が灯って大喜びをしていたのが印象的でした。そして、五郎さんの父親としての尊厳が見えたようなシーンでした。
「風」と言えば、イソップ童話の「北風と太陽」や昔話の「鼠の嫁入り」にも「風」が出てきます。「北風と太陽」は、どちらが強いのかを決める北風と太陽の対決の物語。物事へ働きかける方法の違いを表しています。「鼠の嫁入り」では、鼠が天下一の婿をとろうとして考えた候補者のそれぞれに、さらに強いものがいることがわかり、結局、同類の鼠を婿にすることに・・・。あれこれ迷っても平凡なところに落ち着く例えともされています。
風車の羽を見て「風」って力強いなあと、とりとめもなく考えました。五郎さんのように一軒家であれば、あるいはマンションの上にでも、風車を設置すれば相当な発電量になるのかもしれません。自然エネルギーをもっと使うことが出来るようになれば、北海道でも現在は稼働していない原子力発電所も入らなくなるのかもしれません(私は原発推進あるいは反対者のどっちでもありません)。
夏の室内は、クーラーでやられますので、こっちの「風」邪は十分注意して下さい。
五稜会病院と「令和」
平成31年度の入社式
我々の使命は、地域の精神科医療の中心病院として、患者さんへのサービスを提供することです。そこで大事なのは、多職種連携、多職種協同作業です。精神科医療は、一つの職種ではできません。多職種で情報を共有化して、患者さんにとって最良の医療を提供することです。ここにいます先輩や他の職種の人も皆、優しい人ばかりです。わからないことがあれば、遠慮なく聞いて下さい。
精神科病院は病んでいる人相手の仕事です。「人に優しい、安心、安定した病院」創りを皆さんと一緒にしていきたいと思います。今後の活躍を期待しております。本日は、おめでとうございます。
平成30年を振り返って
平成30年9月6日、北海道大停電
地震は、五稜会病院の所在する札幌市北区で震度5強、隣の東区では震度6弱と、こんな大きな揺れは生まれて初めての経験でした。そして全道に渡る大停電です。早速、病院には職員が早朝から駆けつけ、診療開始前に災害対策本部を立ち上げ、今後の対応について会議を行いました。停電で非常用の電源しかないので外来は必要最小限にして、入院予定の受入れも延期、病棟2階、3階までの食事の配膳、断水(地下水のポンプくみ上げ)になった水の運搬をどうするか等の打合せを行いました。
以前にも、病院近くの電柱に雷がおちて停電になったことがあり、その時の対応が非常に役に立ちました。外来は非常電源のみで電子カルテは使用できましが、処方箋は手書きになりました。定時の災害対策会議を行い、情報の共有、今後の対策などを確認。9月6日(1日目)が何とか終わり、9月7日(2日目)は午前に復旧するとの期待もはずれ、午後もずっと停電のままでした。「止まない雨はない」「電気の点かない停電はない」と職員を鼓舞しながら病院機能の回復を待ち続けました。結局、電気が点いたのが、9月7日20時30分過ぎです。まる2日近くの停電でした。
季節的にも暑すぎず寒すぎずの気温だったのが幸いでした。大きな被害もなく、停電も2日間でしたので、患者さんの動揺も少なかったものと思います。今回の地震・停電を通して、職員の結束力を感じました。災害に備えて日頃の準備が必要です。被災された方の一刻も早い復旧をお祈り致します。
リラ冷え
この時期、北海道は「リラ冷え」になります。別名、「蝦夷つゆ」です。心臓移植のテーマや大人の恋愛小説をたくさん書いた、札幌医大出身の渡辺淳一先生の小説に「リラ冷えの街」というのがあります。「リラlilas」はフランス語読みで、英語では「ライラックlilac」、和名では、「ムラサキハシドイ(紫丁香花)」、紫の花が枝の端に集まって咲くことから、「端に集う」という様子を表して命名されたそうです。札幌市の花にもなっていて、6月にはライラック祭りが開催され、ヨサコイ祭り、札幌祭りへと続きます。この時期は、いつも天気がぐらついて寒暖の差が激しく、心身の不調になる方も多くいます。適応不全にならぬよう、上手く対応して下さい。
2つの学会認定医になりました。
平成30年度開始にあたって
断・捨・離
平成30年、戌年になりました。
平成29年、今年一番の映画
私は、いつも「LaLaLand」のSound Truck版を車の中で聞いています。グリフィス天文台でのワルツを踊る時の曲「Planetarium」やMiaがオーディションを受けるシーンの「Audition」(The Fools Who Dream)はとても素晴らしいです。曲を聴くと、映画のシーンが思い浮かぶようです。2人の交際が始まるグリフィス天文台での「Planetarium」のこころ踊るような展開、「Audition」での念願叶っての合格、でもその後の悲しい結末を暗示するようなメロディ・・・感動ものです。
古いですが、ミシェル・ルグランが音楽を担当した1964年フランスのミュージカル映画の「シェルブールの雨傘」。ジャック・ドゥミ監督。第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。初めてこの映画を観た時には、地の台詞が一切なく全編音楽のみであり、びっくりした記憶があります。
この2つのミージカル映画の内容は時代の差はあれど似ています。出会い、恋愛に発展、楽しい一時、別れ、再会。そして、お互いの現状を知る。はかなく切ない終演。でも、最後に主人公の男性側も幸せなのが良いです。自暴自棄になってストーカーみたいになったら困りますよね。辛いことがあっても曲を聴くと嫌なことも忘れます。「すっばらしい」映画に出会った1年でした。
第22回日本ストレスケア病棟研究会開催御礼
ゴッホ展-巡りゆく日本の夢-
ラジオ体操と運動
精神保健福祉法一部改正と国会審議
夏の思い出
レンガ積み
精神科の病名
新人スタッフを宜しくお願いします。
うつ病の人に「頑張れ」は禁句か。
平成29年、今年は酉年です。
平成28年も終わり~背中を押されて~
ボブ・ディランさん、ノーベル文学賞おめでとうございます。
映画って、本当にいいですね。No.1
「夏休みの思い出」
病院機能評価受審終わる
北海道の5月の連休
平成28年4月、新年度開始
平成28年、新年を迎えて
平成27年を振り返って
「傾聴」について
精神科治療の基本は「規則正しい生活」です。
「Dr.倫太郎」
平成27年4月、新年度開始
平成27年、新年のご挨拶
ブランディング プロジェクト
新外来・病棟完成!!
平成26年4月1日 新年度開始
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今日は4月1日、五稜会病院が新しく変わる日になります。
1つ目は、今日から消費税が上がります。5%から8%、3%もあがります。
売店のジュースは110円から120円になります。
2つ目は、診療報酬の改定があります。様々な縛りが出てきます。
特に療養病棟です。退院支援委員会などの開催が義務づけられています。
3つ目は、改正精神保健福祉法が本日から施行されます。
明治以来の保護者制度がなくなります。そして、医療保護入院の制度が変わります。
4つ目は、本年5月に新しい外来棟、病棟が完成し、いよいよ引越です。
今年は変革の年になりそうです。
精神科病院も生き残りをかけての戦いとなっています。
新しい病院を創り、人を創って、地域の精神医療充実を図りたいと思っております。
10年後、私たちが五稜会病院に入ったのは、色々と変わった年だったなとこの場で振り返るようになってもらいたいと思います。
皆さんの活躍と五稜会病院の発展を祈って挨拶とします。
”Share Change Inovation” 皆さんと一緒に頑張って行きましょう。
新年の挨拶
さて、五稜会病院では、平成26年5月には新しい外来と病棟が完成します。今まで、外来ロビーは混雑して、決してアメニティが良いとは言えませんでしたが、今後は患者さんにとって過ごしやすい雰囲気にしていきたいと存じます。新しい病棟は、現在の急性期病棟と療養病棟が引越となります。急性期病棟は38床から48床になりますので、急性期の患者さんの受入れもよりスムースになり、落ち着いた環境の中で入院生活を送ることが出来るようになるものと思います。病棟の完成とともに、ソフト面の充実も図っていきます。医療スタッフを増員し、さらに診療内容を充実させ、患者さんのニーズに合わせた治療プログラムの開発を試みていきます。
新年が皆さんにとって、より良い年になるように、安寧した生活が送れることを願って、新年の挨拶としたいと存じます。(平成26年1月2日:中島公博)
新ホームページ
新しいホームページが開設されました。旧バージョンは私自身が平成11年に開設したものです。コツコツとページを作成し、試行錯誤の上でアップロードしたのを覚えています。今度のホームページは五稜会病院職員が委員会を立ち上げ、アイデアを出して作り上げたものです。魅力のある病院の情報発信にしていきたいと思います。どうぞご贔屓にして下さい。
精神科医療を取り巻く環境は激変しています。本ブログでは、最新の精神科医療情勢や常日頃の思いについて、気ままに記載していきます。(平成25年12月16日:中島公博)
精神科医療の新しい話題
精神保健福祉法一部改正と国会審議
「相模原の障害者施設殺傷事件」について
精神保健福祉法改正後の医療保護入院の実態に関する全国調査
公認心理士法案
精神障害者と自動車運転(第3回日本精神科医学会学術大会)
平成26年10月9日、10日の2日間、愛知県名古屋市で開催された第3回日本精神科医学会学術大会(大会長:舟橋利彦愛知県精神科病院協会会長)のシンポジウムで「精神障害者と自動車運転」の話題が取りあげられました。テーマは「精神障害者の自動車運転に係る諸問題」~医療や行政、産業界はいかに生活を守っていくか~です。
平成26年5月に自動車運転死傷行為処罰法が、そして、6月には改定道路交通法が施行されました。このシンポジウムは、改正道路交通法や医薬品添付文書の記載内容から、精神障害者が通院をはじめとする日常生活に欠くことのできない自動車運転に、深刻な制限が加わるという危機意識に基づいて企画されました。シンポジストの先生方からは、保健医療福祉、行政、法律、産業界のそれぞれの立場で、自動車運転が必要な精神障害者に何ができるか、何が必要かについての所見が述ベられました。さらに、障害者と自動車運転について詳しい研究を行っている名古屋大学の教授と法律家からも、問題点についての言及がありました。国民誰もが求める安全運転と、どのように共存が可能かを考えさせられた内容でした。
このシンポジウムの中で、大手自動車メーカーの研究者が、自動車における認知負荷軽減に向けた研究の発表をされていました。丁度新聞には全車種で自動ブレーキなどの衝突回避システムを導入するとの記事が出ていました。安全に運転するためのテクノロジーの進歩、応用が期待されるところです。(平成26年10月13日:中島公博)
精神障害者と自動車運転
平成26年6月1日、改定道路交通法が施行されました。一定の病気(統合失調症、低血糖症、躁鬱病、再発性失神、重度の睡眠障害、意識や運動の障害を伴うてんかんの6種)を原因とする事故を防ぐため、安全な運転に支障をおよぼす恐れがある病気にかかっている人等の的確な把握と負担軽減を図るためとしています。これに先立ち、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)が、本年5月20日から施行されています。本法第三条には危険運転致死傷として、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態、または正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を走行する行為により人を死傷させた場合が規定されています。
例えば安定剤のホリゾンの場合、医療用医薬品の添付文書情報には、重要な基本的注意として、「眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること」の記載があります。抗アレルギー薬のジルテックや総合感冒薬PL配合顆粒も同じです。
改正精神保健福祉法 1
平成25年6月13日、衆議院で可決された精神保健福祉法改正案が、平成26年4月1日に施行(一部は28年4月1日施行)されます。法案では、保護者制度の廃止、医療保護入院の見直し、精神医療審査会の見直しがなされます。保護者制度の開始は100年以上も前の1900(明治33)年まで遡ります。精神障害者の権利擁護のために法改正が繰り返されてきましたが、保護者制度はほとんど見直されず、家族、特に高齢となった親には重い負担を強いてきました。法改正の背景にあるのは、これまで「家族が支える」のが当然とされてきた精神障害者を「地域全体で支える」仕組みへの転換です。保護者制度廃止と併せ、精神科病院の管理者には、医療保護入院者の退院に向けた支援や地域の支援者との連携を義務付けました。
また、保護者制度を廃止したことに伴い、医療保護入院の要件を精神保健指定医1名の判定と保護者の同意から、精神保健指定医1名の判定と「家族等」の同意に改めることになりました。「家族等」の順位が決まっていないことや受診時に付き添った方と患者さんとの家族関係をどう証明するのかといった「家族等」の同意に関する運用の在り方については様々な議論があります。改正精神保健福祉法が患者さん及び「家族等」にとって利益になるように、病院の手続きに支障を来さないように情報収集をしたいと思います。(平成25年12月16日:中島公博)
改正精神保健福祉法 2
改正精神保健福祉法では、厚生労働大臣が「病床の機能分化と精神科医療の提供の指針」を定めることになっています。これによって、精神科病床の人員配置など、これまでにない変革がなされることが予想されます。精神科でも一般内科と同様の医療が中心となっていくようになるのかもしれません。精神科では「精神科特例」というものがあり、入院患者さん48人につき医師1人の割合いの基準があります。内科外科の一般科では16対1ですので、3分の1で良いということなのですが、精神科は病床も多く、精神科医の絶対数が少ないので、なかなか一般科並にはいかないのが現状です。精神科の患者さんは身体疾患と違って医師が常時関わる度合いが少なく、どちらかというと、看護師、心理士、作業療法士などのコ・メディカルの人員を増やした方が良いこともあります。
五稜会病院では、認知行動療法を取り入れ、臨床心理士のみならず、ストレスケア病棟の看護師が認知行動療法の治療技術を用いています。カウンセリングや心理療法、発達障害などの診断補助として心理士も多数在籍し、PSW、作業療法士などコ・メディカルは充実しています。治療のコーディネーターをするのは、あくまでも医師です。「精神科特例」の状態から抜け出すために、チーム医療を重視した五稜会病院に精神科医療を目指す先生(研修医・他科の先生方大歓迎)が来てくれることを願っています。(平成25年12月16日:中島公博)