理事長ブログ
理事長の一言 「精神科医療の新しい話題」は下にスクロールして下さい。
第26回日本ストレスケア病棟研究会参加報告
パリ2024オリンピック/パラリンピック
第120回日本精神神経学会学術総会が札幌で開催される
「令和6年4月1日、五稜会病院入職式」
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新しく五稜会病院に入職した皆さん、本日はおめでとうございます。早く持ち場の仕事に慣れて、患者さんのため、自分のため、病院のために頑張っていただきたいと思います。
さて、4月は、診療報酬の改定があります。今年は、障害福祉サービスの診療報酬と介護報酬のトリプル改定となっております。診療報酬は0.88%の増と医療を取り巻く環境は厳しいものがあります。
また、4月には改正精神保健福祉法の施行で、新しく始まることがあります。一つには、医療保護入院の更新制度の開始、医療保護入院で入院した場合には3ヶ月後の更新の手続きが必要になります。二つ目、障害者虐待防止では、医療従事者が患者を虐待した場合には、都道府県への通報に義務が生じました。三つ目、入院者訪問支援事業の開始です。当院では積極的に受け入れていきたいと考えています。
医療環境は常に変化し続けています。想像・イマジネーションと創造・クリエイションを働かせ、皆さんの若い力で五稜会病院を盛り上げてほしいと思っております。本日は、誠におめでとうございます。
「令和6年4月、診療報酬改定」
患者さんには、あまり関係がありませんが、自己負担がかわったりの多少の影響はあるかと思います。
「令和5年1年間、有難うございました。」
令和5年5月8日、新型コロナウイルス感染症は、これまで「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において「新型インフルエンザ等感染症」として位置づけられていましたが、「5類感染症」に位置づけられました。5類になったことで、コロナ禍以前のような経済活動を再開できる、感染してしまった際にかかりつけ医など一般の診療施設で受診できるなどの利点があります。会食なども対面で出来るようになったことは喜ばしいことです。学会、研究会も対面形式に戻ってきました。観光客も増えてきて、コロナ禍以前の水準になっているようです。巷では、ノーマスク姿が多くなってきています。五稜会病院でも、12月には4年ぶりの対面式の忘年会を開催しました。やはり、リアルな交流は、親密感も増します。
五稜会病院では、病院の医療・運営に関して、1年間で最も『創造性』ある取組に対して、栄誉を称えるとともに、さらなる発展、職員の意欲向上に繋げる目的で、理事長賞を設けています。
「令和5年10月、今年の北海道は暑かった」
「お盆を過ぎたら涼しくなる」というのが通常の天候だったと思うのですが、今年の猛暑ではそれも言えなくなりましたね。9月も例年よりも暑い日が続きましたが、9月末になってようやく涼しくなり、逆に朝は寒いくらいで暖房も必要かもという日もありました。日中の暑さと夜間、早朝の冷えの寒暖差が激しく、体調管理にも注意を要します。季節の変わり目で、心身ともに変調を来す方も多くいらっしゃいます。気温に合わせて、上着を着たり脱いだり、体操や散歩するなど体力を付けるようにしましょう。しっかりと睡眠を取るのも大事です。「寝るのが一番」です。
ところで、「夏が暑いと冬は大雪」という都市伝説のようなものがあります。最近では、令和3年夏は何のために東京オリンピックのマラソンを札幌でやったのかと思うくらいの猛暑でした。その年の冬(令和3年12月~令和4年3月)はドカ雪が3回くらいあり、朝玄関を出て思わず笑うしかないような大雪でした。今年の冬はどうなるのでしょうか。今から心配です。
「ユーチューバーの仲間入り」
動画の良いところは、見る人にとっては、スマホを使って何時でも何処でも気軽に視聴出来て、しかも何回も見ることが出来ることです。通学、通勤中でもわずかな時間でも見られます。紙の資料を探して、調べて勉強するよりも、遙かに効率的でしかも耳からも知識が入るので効果は抜群と思います。
また、作る側にとっても、一つのテーマをまとめるのに、間違いがないようにチェックしますので、復習にもなります。自分の頭の整理にもなります。記憶を留めたいという意味でも、便利なサーバーとしての役割を担っているんだと考えてもいいかもしれません。
動画編集は、編集ソフトを用いて行います。相当な時間も要しますが、完成した作品が満足いくものであれば喜びも湧いてきます。「板垣死すとも自由は死せず」じゃないですが、自分がいずれリタイヤしても、作成した動画は残っているかもしれません。
「令和5年4月、五稜会病院入社式」
「五稜会病院精神科教育動画(GMCPLM)」ライブラリー 創設
【GMCPLM0006】
「五稜会病院創立50周年記念誌完成」
そして、現在の五稜会病院があるのは、「過去」があるからであり、創立当時やその後の歴史を振り返ることは、その知恵を現在に生かすことも出来ると思います。
50周年記念誌の構成は、現在の五稜会病院、各部門紹介、職員からの応援メッセージ、過去の創立以来の出来事、運動会や盆踊りなどの懐かしい写真、論文や学会・研究会発表の業績、主要な論文別刷、さらには、「現在/ 過去/ 未来」を掘り下げるために、編集委員による座談会の内容を掲載致しました。
これまで五稜会病院に関わった全ての皆様に感謝の意を表するとともに、これからの50年後に向けて、さらなるご厚情を賜りたく、お願い申し上げます。
「令和5年1月、健康保険傷病手当金支給申請書が新しくなります」
我々は、療養担当者として意見書を記載しますすが、令和4年12月までの様式は、中島がエクセルで作成した書式を用いて、電子カルテから紐付けされた氏名(漢字)、傷病名、初診年月日は自動入力され、労務不能と認めた期間は、作業欄に入力して、日時と自動入力された日数を1マスごとに入力されるようにしていました。既に入力の簡便化を図っていたので、今更「より記入しやすくすること」もなかったのですが、新書式にするということなので、早速エクセルの書式を修正しました。
ここで驚きました。氏名をカタカナで1マスごとに入力し、それも「姓と名の間は1マス空けてご記入ください。濁点(゛)、半濁点(゜)は1字としてご記入下さい。」とありました。銀行で振り込み用紙で使うものと一緒です。手書きであれば、判読不能がないようにという意図なのでしょうが、パソコン入力となると、1マスごとに入力するのは、面倒この上もありません。「ナカジマ」の「ジ」は、「シ」と「゛」を入れるんです。そこで、電子カルテから紐付けされたカタカナ氏名を、如何にして1マスごとに入力出来るかを思案して、「より記入しやすく」することにしました。(中島作成:新傷病手当エクセル版)
第1案:マクロを用いたものです。濁点のカタカナは、「ヴガギグゲゴザジズゼゾダヂヅデドバビブベボ」、半濁点は、「パピプペポ」なので、それをマクロに記入式を入れて、開発⇒マクロの実行(カーソルを作業欄のセルに置いて下さい)で一発で自動入力されます。これは、少々マニアックで、手作業で実行を押さないとなりません。
第2案:医事課職員のアイデアを参考にしました。全角の濁点、半濁点のカタカナは1つの文字として認識されます。例えば、「ジ」の濁点は分割出来ません。しかし、半角の場合、「ジ」は「シ」と濁点「゛」の2つの文字として扱われます。これを利用して、電子カルテから紐付けされた全角のカタカナ氏名をAsk関数を用いて一旦半角に変換して、その文字列の左から1,2,3,4番目の文字を順に1マスごとに入力し、そして、意見書のカタカナ氏名欄には、JIS関数で全角に戻して入力するというものです。作業欄のセルに、「ナカジマ キミヒロ」と入力すると、見事に意見書の1マスごとに入力されます。第2案は、マクロを用いたものに比べて簡便なので、こちらを電子カルテの文書管理に搭載しました。
これをご覧になった医療関係者の皆さんも是非使って下さい。出来れば、ご感想などもお願い致します。協会けんぽの新書式作成担当者さんは、「より記入しやすくすること」を考えてくれたのでしょうが、パソコン入力での簡便さも考慮して欲しいものです。書式をころころ変えないで下さい。
「五稜会病院オンライン大忘年会」
五稜会病院でも、世間と同様に10月末~11月半ばまで、初めてのクラスターを経験しました。また、コロナ禍のなかで、今年も対面での忘年会は出来ませんでした。そこで、令和3年と同様に、ZOOMを用いたオンライン大忘年会を開催しました。昨年よりも多い約100名近くが参加して、理事長から「1年を振り返って」のスライド発表と看護部長の乾杯で開始。この1年で入職した新人も20名近くいて、ビデオによる新人の紹介。職員は常にマスク姿なので、素顔が全く見えません。マスクなしのお顔を拝見して、こんな感じなんだと思った参加者も多かったのではないでしょうか。
今年も、職員全員(200数十名)にレストランのオードブルと飲料を事前配布して、下準備も滞りなく行いました。昨年のオードブルは、ミシュラン★でした。今年はボリューム感を重視しましたが、結構な味でした。飲料は、イタリアの「ピノ・シャルドネ・スプマンテ」ピノ・ビアンコ種とシャルドネ種を用いて造られた本格的な辛口のスパークリングワイン。泡立ちはきめ細かく、スッキリとした味わい、料理との相性も抜群でした。
忘年会の場を借りて、理事長賞を発表しました。1つは、3病棟(療養病棟)のクラスター感染対策、もう1つは、日頃病院の美化運動、清掃に従事している総務課に贈呈しました。賞金○万円が副賞として贈呈されます。
2回目のオンライン大忘年会でした。二次会もあり、楽しい一時でしたが、来年は、札幌市内のホテルで対面での忘年会を期待しています。
「人生が二度あれば」
高校1年のN少年は、地元でのコンサートに行った同級生から、井上陽水が如何に素晴らしかったかを熱く聞かされました。そして、その年の3rdアルバム「氷の世界」が日本発のミリオンセラーになりました。もう50年も前の話です。
当時、私の父は50過ぎでしたので、この歌詞を聴いて、「ロクジュウゴ」っていうのは随分と年寄りなんだなと思っていたものでした。当時は、自分もその年になるなんて思いも寄りません。「今年九月でロクジュウゴ」ですが、今の自分を振り返って、「顔のシワは増えてはいない」、「何時まで経ってもゆとりはできない」、「湯飲みよりコーヒーカップかな」という感じです。大学を卒業してから、毎年毎年さらに忙しくなるばかりで、ゆとりなんていうのは遠い先です。
人に頼む時には、忙しい人に頼みなさいというように、人に頼られて忙しいうちが華です。かつては、人生50年。今の世は10歳くらい若返っています。健康状態が良ければ、あと10年くらい、仕事は頑張れるかなと思っています。
行動制限は緩和されていますが、コロナの蔓延、コロナ陽性や濃厚接触で出勤停止による人手不足、ロシアとウクライナの戦争、地震や大雨の被害など、辛いことが増えてゆくばかり。人生が二度あれば、コロナのようなパンデミックのない、自由に人と触れあえるような、戦争がない世界を望みたいものです。
「精神科は書類の山」
「令和4年度、五稜会病院入社式」
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新しく五稜会病院に入職されました皆さん、本日はおめでとうございます。大勢の人数の歓迎会は出来ませんが、コロナが収まったら盛大に歓迎会、打ち上げでもしたいと思います。今日、私がお伝えしたいことは3つです。
1つ目、五稜会病院は地域の精神科医療を担っている、「人に優しい民間の病院」です。患者さんのお話を聞いてあげるということが大事です。令和4年度は、診療報酬の改定 本日から改定になります。少しで良いですので、診療報酬のことも念頭に入れて下さい。
2つ目、精神科の仕事は、チーム連携、情報共有が大事です。精神科医療は、一つの職種ではできません。多職種で情報を共有化して、患者さんにとって最善の医療を提供することです。わからないことがあれば、遠慮なく聞いて下さい。
3つ目は、想像して、新たなことにチャレンジして下さい。同じ病気でも、患者さんの病状は1人1人違います。常に、創造性を働かせて、自分のなかで研究テーマを見つけて下さい。これが重なれば病院の医療のレベルアップに繋がります。新人の皆さん、職員全員で、人に優しい、安心、安定した病院創りを一緒にしていきたいと思います。
本日は、誠におめでとうございます。
「五稜会病院Web大忘年会」
コロナ禍のなか、五稜会病院でも歓迎会、送別会、忘年会は自粛しています。令和2年と3年に新しく入職した方は40名にも上りますが、歓迎会も開けていない状況です。当院は、チーム医療を大事にしています。それを実践するには、職員同士のふれあいが大事です。ところが、歓迎会などがないために、お互いに胸襟を開いて話すことが出来ず、新人や職場のスタッフ同士の関係が深化出来ていません。素顔が見えず、マスク姿しか見られない方もいます。
令和2年は、忘年会が開催出来ませんでした。令和3年12月は、緊急事態宣言の解除から時間も経ち、コロナ陽性患者も激減していますが、大勢での飲食は避けなければなりません。そこで、今年はZOOMを使って、Webでの大忘年会を週末に行うことにしました。
有名レストランのオードブルと飲料を各家庭に事前に配布し、雰囲気を作っての忘年会開催です。はじめに、理事長からの「1年を振り返って」のスライド発表と乾杯で開始。そして、事前に撮影した新人の紹介ビデオ、理事長賞の発表(ストレスケア思春期病棟のレッドゾーン対応とコロナワクチン接種の2つ)、オンラインでの参加者同士の歓談。思いのほか楽しく出来ました。
史上初めてのWeb大忘年会でした。でも、リアルの対面での会に勝るものはありません。最初で最後のWeb大忘年会であって欲しいと思いました。
「Web会議、Webでの学会参加」
パワーポイントで音声を入れてオンデマンドで流す方法も採られています。令和3年の日本精神神経学会は、6月京都での開催が9月に延期されましたが、まだ緊急事態宣言のまっただ中で現地参加もはばかられ、「五稜会病院における入院患者の意思決定支援の取組み」の演題発表は、パワポに音声入力したものを会場で流す方法となりました。10月に横浜市で開催された日本精神科医学会での「単科精神科病院での発達障害診療における精神科医と心理師との協同~初診から診断確定までの効率的システムの開発~」の発表も札幌からのWeb配信でした。
Web会議やWebでの学会、研究会は、わざわざ現地まで行かなくて済むので、非常に効率的で旅費も掛からないし、余分な時間も取られないので、多くのメリットがあります。ただ、せっかくの京都や横浜への旅、現地での美味しい食べ物、風景など堪能出来ない寂しさや、やはり面と向かっての人との交流ができない欠点があります。
最近はコロナ陽性者が減っています。早くコロナ禍が落ち着いて、自由に行き来したいものです。
「敬老の日にちなんで」
敬老の日の対象者は、何歳という決まりはないようですが、老人の定義は、老人福祉法や世界保健機関(WHO)では65歳以上としているようです。ということは、私も近々、対象年齢になってしまうってことです。70歳以上にして下さい。
私の母は、大正14年生まれの御年96歳、さすがに足腰は弱くなっていますが、認知機能の低下もなく、とても元気です。私が普段言っている「寝るのが一番」は、母が提唱したものですが、それが長寿の秘訣のようです。
誕生祝いの時、その人の誕生を祝うのは至極当然ですが、誕生のためには、産んでくれた母親の存在があります。誕生日には、産んでくれた母のことを是非とも思いだし(想像し)、感謝の念を表すべきと思っています。
「B」から「A」へ
最近では、色々な医学雑誌、学会誌でA4版への移行が進められています。ちなみに五稜会病院の診療録は、2009年にB5版からA4版に移行、2013年には紙カルテも併用しつつ電子カルテを導入しています。個人的には、B5版の方が嵩ばらないし、視野に一収まりできて見やすいので好きなのですが、時流に合わせなくてはなりません。でも、週刊誌までA4版になったら読みづらいですよね。
A判は、19世紀末ドイツの物理学者オズワルドによって提案されたドイツの規格、面積が1平方メートルの「ルート長方形」をA0としています。「ルート長方形」とは、縦横比率が「白銀比」と呼ばれる「縦:横=1:√2」です。「白銀比」は、大きさは違っても縦横の比率は同じ相似の長方形に分割でき、どこまで半分にしても同じ形、相似形の長方形になります。この形は、古来より美しい比の形として好まれてきたのだそうです。
一方、B判は、日本で江戸時代に使われていた「美濃判」の寸法がもととなってできた日本独自の規格。こちらは、面積が1.5平方メートルの「ルート長方形」をB0とした国内規格サイズ。B5サイズは、B0を5回半分に折ったもので182×257mm。400字詰めの原稿用紙のサイズがB4で、それを半分にするとノートや週刊誌などの大きさのB5サイズになります。このB版も縦横比率が「白銀比」になっているのです。A判は国際規格、B判は日本工業規格、日本の公文書は伝統的なB判が長く使われてきましたが、日本もグローバル化で、1990年代に国際規格であるA判に移行され、現在ではA判が主流となっています。
不思議ですが、昔の日本人もすごい発想をしていたというか、19世紀のドイツと江戸時代で、お互いの情報交換があったとは思えない中で、「ルート長方形」「白銀比」という概念が同じように用いられていることには驚かされます。ドイツや日本以外の国でも、このような考えがあったのでしょうか。興味深いです。
令和3年4月1日、五稜会病院入社式
令和3年1月、Withコロナの幕開けです。
今年の三箇日は天気にも恵まれ、穏やかな新年を迎えました。コロナが無ければ、華やかなお正月だったでしょう。それはさておき、新年、明けましてお目出とうございます。今年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
令和3年(2020年)の1年間はどんなことがあるのでしょうか。コロナ対策が一番でしょうが、コロナばかり気にしていたら身体や精神が持ちません。昨年予定だった東京オリンピック、パラリンピックが、7月から開催されます。札幌では、マラソンと競歩が行われます。マラソンコースは大通りを抜けて石狩街道、緑あふれる北大構内を2周します。是非観に行きたいと思います。楽しみですが、コロナでオリンピック開催がどうなるやらです。
私は、毎年新年に今年を占う漢字を選んでいます。今年の漢字1文字は、コロナ禍のなかでの仕事・日常生活を表して「忍」としました。じっと構えていけばいつかは晴れる日が来ます。「止まない雨はない」です。
五稜会病院は、「人に優しい」病院です。今年も、地域の精神科医療をしっかりと担って行きます。皆様も心身の健康を大事にして、今年も、楽しく過ごしていきましょう。
勤労感謝の日にちなんで
さて、11月23日は勤労感謝の日です。国民の祝日に関する法律によれば、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。日本では古くから、天皇が新穀などの収穫物を神々に供えて感謝し、自らも食する「新嘗祭(にいなめさい)」という祭事が行われていましたが、これを継承した祝日とのことです。
話しは変わりますが、ボジョレー・ヌーボーが11月第3木曜日午前0時、今年は11月19日に解禁されました。このワインは、そもそも、地元の人が収穫祭で楽しむための地酒です。事前情報では、最初に収穫したブドウの状態はとても健全で、例年と比較しても非常に品質が良く、収穫前の数日間の環境は、アロマの凝縮感と素晴らしい色合いを引き出すのに最適でしたということです。
早速、セコマで買ったボジョレー・ヌーボーを飲んでみました。「やや甘めの芳醇な香り、エレガントな味わい」と言いたいところですが、テイスティングは今一なのでわかりません。
いずれにしても、感謝という意味では、新嘗祭や勤労感謝の日に繋がっているんですね。一所懸命に生きている人、全てに感謝です。
ゲーム依存・スマホ依存・ネット依存
ネットで不特定多数の人とプレイできるオンラインゲームは、DSM-5(アメリカ精神医学会診断基準2013年)ではインターネットゲーム障害として記述され、今後の研究が推奨される病態として基準が示されました。
五稜会病院は、中学生以降の思春期を対象に精神疾患を診ています。ゲーム依存、スマホ依存の中学生や高校生、はたまた大学生も受診します。殆どの方が、親が困っての来院。本人はいたって平気、自分で直したいという患者さんはいません。ゲーム依存の治療として、世間でよく言われるのが認知行動療法です。
さて、具体的にはどうするのか。ゲームの時間を決める、夜更かししない、ゲーム機をしまう、ネットを遮断する、などが考えられます。親は、そんなことは既にやっていると言います。我が家でもネットを遮断したことがありました。何食わぬ顔で、ネットの故障と言っていたものです。
ゲーム依存等には、規則正しい生活を再度確認し、必要によっては睡眠覚醒リズム表の記載を指導し、「寝るのが一番」と勧めています。
「三密」を回避して「こころの密(心密)」へ
感染拡大を防ぐためには、「三密」を避けることが提唱されています。「密集」「密閉」「密接」の三つの「密」です。幼少の頃、「隠密剣士」っていうテレビ時代劇もありましたが、今は「三密」です。
経済状況が悪化しているなか、沢山の方が困っています。病院では、「三密」の回避、頻回の換気、全て職員、患者さんへの頻回の手洗い、マスク着用の促し等、万全の感染対策をしていますが、熱発者の方には、プログラム参加の中止や入院の延期など予定を変更せざるを得ない事態も生じています。これまでに経験のない状況のなかで、精神状態を平穏に保てなくて、どうしてもぴりぴりムードになってしまいます。
本当に切羽詰まった状況ですが、私たちが出来ることは、「三密」を避けながら、行動拡大も出来ないこのなかで、翻って人と人とのこころの繋がりを深めていく「こころの密(心密)」を大事にすることですね。
令和2年3月送別、そして4月1日入社式
新人や職員には以下の3つを伝えました。
1つ目は、精神科医療をとりまく環境は大きく変化しているということ。統合失調症の精神病圏の患者さんは減ってきて、発達障害や様々の人間関係、職場・学校での不適応を来たして受診される方が増えてきています。また、今年は2年に一度の診療報酬改定があるので注視して戴きたいと思います。2つ目は、精神科医療は多職種連携、多職種協働作業です。一つの職種で仕事は出来ません。多職種で情報を共有化して、患者さんにとって最良の医療を提供することです。五稜会病院は風通しの良い職場環境です。わからないことがあれば、遠慮なく聞いて下さい。3つ目は、我々の使命は、地域の精神科医療を担うことです。地域の基幹病院として、患者さんへのサービスを提供することです。
精神科病院は病んでいる方相手の仕事です。人に優しい、安心、安定した病院創りを皆さんと一緒にしていきたいと思います。常にチャレンジの気持ちを忘れずに、今後の活躍を期待しております。
新型肺炎、コロナで戦々恐々
令和2年1月、新しい年が始まりました。
さて、令和2年、西暦2020年はどんな年になるのでしょうか。昨年はラグビーのワールドカップ(RWC)が日本で開催され、日本チームの活躍で大いに盛り上がりました。「ONE TEAM」も流行語大賞に輝きました。五稜会病院もチーム医療を大事にしており、「ONE TEAM」もピント来るものがありました。
昨年、私の平成31年の漢字1文字は、これから新しい元号になるということで、「新」の字にしました。今年はオリンピックイヤーですので、日本人の活躍を祈念して「勝」で行きます。
令和元年も終わり、五稜会病院は”ONE TEAM”
今年の流行語大賞は ”ONE TEAM” になりました。日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチが、就任して1カ月後の新旧が混在していた欧州遠征メンバーに「一体感のある組織を目指そう」と呼びかけたことに始まるそうです。
一方、私たち五稜会病院での医療を中心とした業務は、医師だけではなくで看護師、薬剤師、臨床心理師、精神保健福祉士、作業療法士、事務、総務、掃除のおねえさん?など多職種が関わっています。言葉だけではない、如何に良い ”ONE TEAM” を創るかが大事かと思っています。多職種が気軽に相談できる環境創り、多職種連携が五稜会病院の大切にしているところです。
ブラックアウトから1年
昨今、日本では台風による千葉県の大停電や九州や中国地方の大洪水による建物の損壊など、尋常でない被害があります。被災地の皆様にはお見舞い申し上げます。災害には普段の訓練が必要です。以前にも、平日の夕方に病院近くの電柱に雷がおちて停電になったことがあり、その時の対応が非常に役に立ちました。この時にも階段での配膳リレーが行われました。
災害は忘れた頃にやってくるという格言があります。昨年の災害を思い起こしながら、停電になったときの対処について日頃からの準備をしたいと思います。
第8回日本精神科医学会学術大会(北海道)無事終わる
「風」の力
風力発電をみていると、昔のテレビドラマ「北の国から」を思い出します。テーマ曲は、さだまさしさんのあの歌「ララーラララララーラ」です。ドラマでは、田中邦衛さん演じる黒板五郎さんが、自宅の屋根に風力発電を作って、子供の頃の淳君(吉岡秀隆さん)、蛍ちゃん(中嶋朋子さん)が自宅に電灯が灯って大喜びをしていたのが印象的でした。そして、五郎さんの父親としての尊厳が見えたようなシーンでした。
「風」と言えば、イソップ童話の「北風と太陽」や昔話の「鼠の嫁入り」にも「風」が出てきます。「北風と太陽」は、どちらが強いのかを決める北風と太陽の対決の物語。物事へ働きかける方法の違いを表しています。「鼠の嫁入り」では、鼠が天下一の婿をとろうとして考えた候補者のそれぞれに、さらに強いものがいることがわかり、結局、同類の鼠を婿にすることに・・・。あれこれ迷っても平凡なところに落ち着く例えともされています。
風車の羽を見て「風」って力強いなあと、とりとめもなく考えました。五郎さんのように一軒家であれば、あるいはマンションの上にでも、風車を設置すれば相当な発電量になるのかもしれません。自然エネルギーをもっと使うことが出来るようになれば、北海道でも現在は稼働していない原子力発電所も入らなくなるのかもしれません(私は原発推進あるいは反対者のどっちでもありません)。
夏の室内は、クーラーでやられますので、こっちの「風」邪は十分注意して下さい。
五稜会病院と「令和」
平成31年度の入社式
我々の使命は、地域の精神科医療の中心病院として、患者さんへのサービスを提供することです。そこで大事なのは、多職種連携、多職種協同作業です。精神科医療は、一つの職種ではできません。多職種で情報を共有化して、患者さんにとって最良の医療を提供することです。ここにいます先輩や他の職種の人も皆、優しい人ばかりです。わからないことがあれば、遠慮なく聞いて下さい。
精神科病院は病んでいる人相手の仕事です。「人に優しい、安心、安定した病院」創りを皆さんと一緒にしていきたいと思います。今後の活躍を期待しております。本日は、おめでとうございます。
平成30年を振り返って
平成30年9月6日、北海道大停電
地震は、五稜会病院の所在する札幌市北区で震度5強、隣の東区では震度6弱と、こんな大きな揺れは生まれて初めての経験でした。そして全道に渡る大停電です。早速、病院には職員が早朝から駆けつけ、診療開始前に災害対策本部を立ち上げ、今後の対応について会議を行いました。停電で非常用の電源しかないので外来は必要最小限にして、入院予定の受入れも延期、病棟2階、3階までの食事の配膳、断水(地下水のポンプくみ上げ)になった水の運搬をどうするか等の打合せを行いました。
以前にも、病院近くの電柱に雷がおちて停電になったことがあり、その時の対応が非常に役に立ちました。外来は非常電源のみで電子カルテは使用できましが、処方箋は手書きになりました。定時の災害対策会議を行い、情報の共有、今後の対策などを確認。9月6日(1日目)が何とか終わり、9月7日(2日目)は午前に復旧するとの期待もはずれ、午後もずっと停電のままでした。「止まない雨はない」「電気の点かない停電はない」と職員を鼓舞しながら病院機能の回復を待ち続けました。結局、電気が点いたのが、9月7日20時30分過ぎです。まる2日近くの停電でした。
季節的にも暑すぎず寒すぎずの気温だったのが幸いでした。大きな被害もなく、停電も2日間でしたので、患者さんの動揺も少なかったものと思います。今回の地震・停電を通して、職員の結束力を感じました。災害に備えて日頃の準備が必要です。被災された方の一刻も早い復旧をお祈り致します。
リラ冷え
この時期、北海道は「リラ冷え」になります。別名、「蝦夷つゆ」です。心臓移植のテーマや大人の恋愛小説をたくさん書いた、札幌医大出身の渡辺淳一先生の小説に「リラ冷えの街」というのがあります。「リラlilas」はフランス語読みで、英語では「ライラックlilac」、和名では、「ムラサキハシドイ(紫丁香花)」、紫の花が枝の端に集まって咲くことから、「端に集う」という様子を表して命名されたそうです。札幌市の花にもなっていて、6月にはライラック祭りが開催され、ヨサコイ祭り、札幌祭りへと続きます。この時期は、いつも天気がぐらついて寒暖の差が激しく、心身の不調になる方も多くいます。適応不全にならぬよう、上手く対応して下さい。
2つの学会認定医になりました。
平成30年度開始にあたって
断・捨・離
平成30年、戌年になりました。
平成29年、今年一番の映画
私は、いつも「LaLaLand」のSound Truck版を車の中で聞いています。グリフィス天文台でのワルツを踊る時の曲「Planetarium」やMiaがオーディションを受けるシーンの「Audition」(The Fools Who Dream)はとても素晴らしいです。曲を聴くと、映画のシーンが思い浮かぶようです。2人の交際が始まるグリフィス天文台での「Planetarium」のこころ踊るような展開、「Audition」での念願叶っての合格、でもその後の悲しい結末を暗示するようなメロディ・・・感動ものです。
古いですが、ミシェル・ルグランが音楽を担当した1964年フランスのミュージカル映画の「シェルブールの雨傘」。ジャック・ドゥミ監督。第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。初めてこの映画を観た時には、地の台詞が一切なく全編音楽のみであり、びっくりした記憶があります。
この2つのミージカル映画の内容は時代の差はあれど似ています。出会い、恋愛に発展、楽しい一時、別れ、再会。そして、お互いの現状を知る、はかなくも切ない終演。でも、最後に主人公の男性側も幸せなのが良いです。自暴自棄になってストーカーみたいになったら困りますよね。辛いことがあっても曲を聴くと嫌なことも忘れます。「すっばらしい」映画に出会った1年でした。
第22回日本ストレスケア病棟研究会開催御礼
ゴッホ展-巡りゆく日本の夢-
ラジオ体操と運動
精神保健福祉法一部改正と国会審議
夏の思い出
レンガ積み
精神科の病名
新人スタッフを宜しくお願いします。
うつ病の人に「頑張れ」は禁句か。
平成29年、今年は酉年です。
平成28年も終わり~背中を押されて~
ボブ・ディランさん、ノーベル文学賞おめでとうございます。
映画って、本当にいいですね。No.1
「夏休みの思い出」
病院機能評価受審終わる
北海道の5月の連休
平成28年4月、新年度開始
平成28年、新年を迎えて
平成27年を振り返って
「傾聴」について
精神科治療の基本は「規則正しい生活」です。
「Dr.倫太郎」
平成27年4月、新年度開始
平成27年、新年のご挨拶
ブランディング プロジェクト
新外来・病棟完成!!
平成26年4月1日 新年度開始
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今日は4月1日、五稜会病院が新しく変わる日になります。
1つ目は、今日から消費税が上がります。5%から8%、3%もあがります。
売店のジュースは110円から120円になります。
2つ目は、診療報酬の改定があります。様々な縛りが出てきます。
特に療養病棟です。退院支援委員会などの開催が義務づけられています。
3つ目は、改正精神保健福祉法が本日から施行されます。
明治以来の保護者制度がなくなります。そして、医療保護入院の制度が変わります。
4つ目は、本年5月に新しい外来棟、病棟が完成し、いよいよ引越です。
今年は変革の年になりそうです。
精神科病院も生き残りをかけての戦いとなっています。
新しい病院を創り、人を創って、地域の精神医療充実を図りたいと思っております。
10年後、私たちが五稜会病院に入ったのは、色々と変わった年だったなとこの場で振り返るようになってもらいたいと思います。
皆さんの活躍と五稜会病院の発展を祈って挨拶とします。
”Share Change Inovation” 皆さんと一緒に頑張って行きましょう。
新年の挨拶
さて、五稜会病院では、平成26年5月には新しい外来と病棟が完成します。今まで、外来ロビーは混雑して、決してアメニティが良いとは言えませんでしたが、今後は患者さんにとって過ごしやすい雰囲気にしていきたいと存じます。新しい病棟は、現在の急性期病棟と療養病棟が引越となります。急性期病棟は38床から48床になりますので、急性期の患者さんの受入れもよりスムースになり、落ち着いた環境の中で入院生活を送ることが出来るようになるものと思います。病棟の完成とともに、ソフト面の充実も図っていきます。医療スタッフを増員し、さらに診療内容を充実させ、患者さんのニーズに合わせた治療プログラムの開発を試みていきます。
新年が皆さんにとって、より良い年になるように、安寧した生活が送れることを願って、新年の挨拶としたいと存じます。
新ホームページ
新しいホームページが開設されました。旧バージョンは私自身が平成11年に開設したものです。コツコツとページを作成し、試行錯誤の上でアップロードしたのを覚えています。今度のホームページは五稜会病院職員が委員会を立ち上げ、アイデアを出して作り上げたものです。魅力のある病院の情報発信にしていきたいと思います。どうぞご贔屓にして下さい。
精神科医療を取り巻く環境は激変しています。本ブログでは、最新の精神科医療情勢や常日頃の思いについて、気ままに記載していきます。
平成25年12月16日 中島公博
精神科医療の新しい話題
「相模原殺傷事件被告人に責任能力を認定」
事件の被告人は、事件前に大麻による精神疾患として精神保健福祉法の措置入院になっていたことから、措置入院者の退院後の支援に問題があったのではないかとのことで、厚生労働省により措置入院者の退院後支援のガイドラインが作られたり、精神保健福祉法の改正を推進するなどの施策がとられました(精神保健福祉法の改正は未だなされていません)。
弁護側は、大麻による精神障害で心神喪失状態だったとして無罪を主張しましたが、判決は「妄想があったとしても程度は軽く、大麻や何らかの精神障害が影響を与えたとは考えられない」と結論。「動機に沿って計画通りに行動し、殺害対象を勤務経験や室内の様子から選別していたほか、予定外の事情が起きても柔軟な対応ができていた」として退け、完全責任能力を認めました。
責任能力とは、自らの行った行為について責任を負うことのできる能力をいいます。刑法では、物事の是非・善悪を弁別し、かつそれに従って行動する能力です。この責任能力を決めるのは法律判断であって、専ら裁判所にゆだねられるべきこと(専権事項)とされています(最決昭和58年9月13日)。生物学的、心理学的要素についても、究極的には裁判所の評価にゆだねられるべき問題であって、裁判所は精神鑑定書に拘束されないとされているのです。
「相模原障害者施設殺傷事件」と「責任能力」の小生の資料を提示します。
精神保健福祉法一部改正と国会審議
「相模原の障害者施設殺傷事件」について
精神保健福祉法改正後の医療保護入院の実態に関する全国調査
公認心理士法案
精神障害者と自動車運転(第3回日本精神科医学会学術大会)
平成26年10月9日、10日の2日間、愛知県名古屋市で開催された第3回日本精神科医学会学術大会(大会長:舟橋利彦愛知県精神科病院協会会長)のシンポジウムで「精神障害者と自動車運転」の話題が取りあげられました。テーマは「精神障害者の自動車運転に係る諸問題」~医療や行政、産業界はいかに生活を守っていくか~です。
平成26年5月に自動車運転死傷行為処罰法が、そして、6月には改定道路交通法が施行されました。このシンポジウムは、改正道路交通法や医薬品添付文書の記載内容から、精神障害者が通院をはじめとする日常生活に欠くことのできない自動車運転に、深刻な制限が加わるという危機意識に基づいて企画されました。シンポジストの先生方からは、保健医療福祉、行政、法律、産業界のそれぞれの立場で、自動車運転が必要な精神障害者に何ができるか、何が必要かについての所見が述ベられました。さらに、障害者と自動車運転について詳しい研究を行っている名古屋大学の教授と法律家からも、問題点についての言及がありました。国民誰もが求める安全運転と、どのように共存が可能かを考えさせられた内容でした。
このシンポジウムの中で、大手自動車メーカーの研究者が、自動車における認知負荷軽減に向けた研究の発表をされていました。丁度新聞には全車種で自動ブレーキなどの衝突回避システムを導入するとの記事が出ていました。安全に運転するためのテクノロジーの進歩、応用が期待されるところです。
(平成26年10月13日:中島公博)
精神障害者と自動車運転
平成26年6月1日、改定道路交通法が施行されました。一定の病気(統合失調症、低血糖症、躁鬱病、再発性失神、重度の睡眠障害、意識や運動の障害を伴うてんかんの6種)を原因とする事故を防ぐため、安全な運転に支障をおよぼす恐れがある病気にかかっている人等の的確な把握と負担軽減を図るためとしています。これに先立ち、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)が、本年5月20日から施行されています。本法第三条には危険運転致死傷として、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態、または正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を走行する行為により人を死傷させた場合が規定されています。
例えば安定剤のホリゾンの場合、医療用医薬品の添付文書情報には、重要な基本的注意として、「眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること」の記載があります。抗アレルギー薬のジルテックや総合感冒薬PL配合顆粒も同じです。
改正精神保健福祉法 1
平成25年6月13日、衆議院で可決された精神保健福祉法改正案が、平成26年4月1日に施行(一部は28年4月1日施行)されます。法案では、保護者制度の廃止、医療保護入院の見直し、精神医療審査会の見直しがなされます。保護者制度の開始は100年以上も前の1900(明治33)年まで遡ります。精神障害者の権利擁護のために法改正が繰り返されてきましたが、保護者制度はほとんど見直されず、家族、特に高齢となった親には重い負担を強いてきました。法改正の背景にあるのは、これまで「家族が支える」のが当然とされてきた精神障害者を「地域全体で支える」仕組みへの転換です。保護者制度廃止と併せ、精神科病院の管理者には、医療保護入院者の退院に向けた支援や地域の支援者との連携を義務付けました。
また、保護者制度を廃止したことに伴い、医療保護入院の要件を精神保健指定医1名の判定と保護者の同意から、精神保健指定医1名の判定と「家族等」の同意に改めることになりました。「家族等」の順位が決まっていないことや受診時に付き添った方と患者さんとの家族関係をどう証明するのかといった「家族等」の同意に関する運用の在り方については様々な議論があります。改正精神保健福祉法が患者さん及び「家族等」にとって利益になるように、病院の手続きに支障を来さないように情報収集をしたいと思います。
(平成25年12月16日:中島公博)
改正精神保健福祉法 2
改正精神保健福祉法では、厚生労働大臣が「病床の機能分化と精神科医療の提供の指針」を定めることになっています。これによって、精神科病床の人員配置など、これまでにない変革がなされることが予想されます。精神科でも一般内科と同様の医療が中心となっていくようになるのかもしれません。精神科では「精神科特例」というものがあり、入院患者さん48人につき医師1人の割合いの基準があります。内科外科の一般科では16対1ですので、3分の1で良いということなのですが、精神科は病床も多く、精神科医の絶対数が少ないので、なかなか一般科並にはいかないのが現状です。精神科の患者さんは身体疾患と違って医師が常時関わる度合いが少なく、どちらかというと、看護師、心理士、作業療法士などのコ・メディカルの人員を増やした方が良いこともあります。
五稜会病院では、認知行動療法を取り入れ、臨床心理士のみならず、ストレスケア病棟の看護師が認知行動療法の治療技術を用いています。カウンセリングや心理療法、発達障害などの診断補助として心理士も多数在籍し、PSW、作業療法士などコ・メディカルは充実しています。治療のコーディネーターをするのは、あくまでも医師です。「精神科特例」の状態から抜け出すために、チーム医療を重視した五稜会病院に精神科医療を目指す先生(研修医・他科の先生方大歓迎)が来てくれることを願っています。(平成25年12月16日:中島公博)