治験へのご協力
治験とは
治験とは、国から薬として承認を受けるために行う臨床試験のことをいいます。治験では、新しく開発された薬の人での有効性(効き目)や安全性(副作用)などを確認します。現在、世界中で数多くの薬が使われていますが、未だに有効な治療薬がない病気も多くあります。これらの病気に対して、効果のある新しい薬の開発が必要です。そのため、世界中で新しい医薬品の開発を目指して治験が行われています。
しかし、医薬品の開発は、医師・歯科医師や研究者のみでは出来ません。医薬品を開発するには、患者さんのご理解とご協力が是非とも必要です。すなわち、患者さんに治験への参加を通してご協力いただくことにより、優れた医薬品開発につながります。
治験参加のメリット
治験は、あくまで参加する方の「本人の自由意志」に基づいて行われますが、治験に参加いただいた場合のメリットとして、概ね次のようなことがあげられます。
①これまでに良い薬がなかった場合、新しい治療を受けるチャンスがあります。
②経験豊富な治験担当医師による丁寧な診察を受けることができます。
③一般の診療に比べ、きめ細かい検査が行われ、病気の状態を詳しく知ることができます。
④治験薬の費用や治験薬を服用している間の検査費用は支払う必要がありません。
そして、何よりもかけがえのないことは、「次の世代によりよい薬を残すために協力する」という社会貢献ができる点にあります。
当院での治験
当院では科学性、倫理性、信頼性の備わった質の高い治験を実施することを目指して、さまざまな施策を行っています。当院で実施する治験には専門の医師の他に治験コーディネーターと呼ばれる専属のスタッフが関与し、スケジュール管理や患者さんのケア等に取り組んでおります。
治験実施分野
現在、当院では 「統合失調症」 、「大うつ病性障害(うつ病)」 の臨床治験を行っています。治験参加は社会貢献になります。参加される方には負担軽減としての費用を差し上げています。また、他の医療機関の先生方からのご紹介も宜しくお願い致します。 詳しく知りたい方は主治医にご相談下さい。
★統合失調症 とは
誰かに見られている、噂されている、人の声が聴こえる、自分の考えが伝わってしまう、
自分が自分でないような感じになる、などの症状があります。
★うつ病 とは
気分がすぐれない、意欲が低下している、興味や喜びが無くなっているといった症状が、ほとんど1日中、ほぼ毎日、2週間以上続き、仕事や学業、日常生活に影響を及ぼしている状態です。児童・思春期にかかるうつ病があることも明らかになっています。
治験の段階
第2段階
第2段階では、少数の患者さんを対象とします。ここでは、治験薬の用法及び容量の確認を行います。
※当院では、主に患者さんを対象とした第2相試験(第2段階)、第3相試験(第3段階)を中心に治験を実施しており、年間約数十名程度の入院・外来患者さんにご協力いただいています。
第3段階
第3段階では、多数の患者さんと対象とします。ここでは、既存の薬やプラセボなどとの比較を行います。
※当院では、主に患者さんを対象とした第2相試験(第2段階)、第3相試験(第3段階)を中心に治験を実施しており、年間約数十名程度の入院・外来患者さんにご協力いただいています。
第1段階
治験にもステップがあり、通常、3つの段階があります。各段階のデータをすべてとりまとめ、厚生労働省に承認申請を行い、厳正な申請をパスし、承認されたものだけが一般の医療機関で新薬として使われるようになります。
第1段階では、健康な成人を対象に、治験薬の安全性などの確認を行います。