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リワークヴィレッジ

リワークヴィレッジとは?

うつ病などの精神疾患が理由で、やむを得ず仕事を休まれたり辞められた方の復職(職場復帰)をお手伝いするデイケアが“リワーク ヴィレッジ”です。
 特に、気分障害は再発しやすい病気と言われており、復職されても再発、再休職に至ってしまうケースが少なくありません。また、『本当に仕事に戻れるのか』『上司や同僚とどう接していけば良いのか』『再発してまた仕事に行けなくなったらどうしよう…』など、仕事に戻るまでには不安や心配がつきものです。体調の心配、業務や人間関係の不安への準備や対処方法を、しっかりと検討していただいた上で復職に向かっていくことが重要です。
 “リワーク ヴィレッジ”は2007年5月に開設して以来、延べ406名(複数回利用者含む)の患者さんにご利用いただきました。開設当初は週2回のプログラム開催でしたが、徐々にその回数を増やしていき、またプログラム内容も変更を重ね、2019年12月からは開催日数を週5回としました。
  リワークプログラムを主に担当するスタッフは、公認心理師、作業療法士、精神保健福祉士、スポーツインストラクターがいます。集団プログラムや特定の心理療法をベースとしたプログラムを、専門的な知識を持ったスタッフが行います。また、スポーツプログラムはインストラクターによる専門的な運動指導を行っており、復職後も自宅で運動習慣を維持できるような種目を行っています。
 リワークスタッフには、㈳日本うつ病リワーク協会の認定を受けたスタッフがいます。リワークスタッフとして身に付けるべき知識や姿勢について、上記の協会が開催する研修を修了することによってこの認定を取得することが出来ます。また、定期的に復職支援に関連した学会や講演会、研修会にも参加し、その質を常に高めるよう努力を重ね、より良い支援に活かしています。
 また、当院のリワークは上記の協会の施設認定を受けております(2023年10月取得)。この認定は、復職支援を行っているリワークプログラムが適切な支援となっているのかを、客観的に審査され、認定されるものです。客観的に評価を行う事で、復職支援としてより質の高いプログラムを提供していくことが目的とされています。

活動内容とプログラム内容

“リワーク ヴィレッジ”では、復職までの不安や心配を同じ境遇の仲間と共有しながら、自分の特性やこれまでの仕事の仕方を振り返ったり、健康的に働き続けるにはどうしたら良いのかということについて考えるプログラムを提供しています。さらにプログラムにも段階を設けており、病気の回復の程度や自分のペースに合わせて、無理なくリハビリを進めていくことができます。

リワークのプログラムは個人で行うもの、集団で行うものなど様々な種類のものがあります。プログラムの目的は、大きく分けると『仕事をするのに必要な能力の回復』と、『再発予防に向けた取り組み』の2つに分かれます。
様々なプログラムを通して仕事に必要な能力のリハビリを行い、それに加えて復職後の再発(再休職・再離職)を予防できるようなスキルを身につけていくことがリワークでの大きな目標となります。

プログラムの一例


具体的なプログラム
個人プログラム
 
個人作業、月毎作業課題、新聞記事レポート作成、etc.
集団プログラム
討論、プレゼンテーション、グループワーク、etc.
心理教育プログラム
ストレス、睡眠、認知行動療法、アサーション etc.
その他のプログラム
軽スポーツ、リラクセーション、個人面談 etc.

ご利用料金

 通所にあたっては、自立支援医療制度のご利用をお勧めしています。その場合は、1日につき約800円が費用として掛かります(+交通費)。原則は1日利用となっていますが、職場での面談や体調不良等の理由による半日参加の場合もありますので、その場合は約400円(+交通費)となります。自立支援医療制度には1ヶ月の自己負担上限額が決められていますので、自己負担額はその上限金額までとなります(自立支援医療制度につきましては利用検討時にお問い合わせください)。
 当院では無料送迎バス(麻生・栄町経由、JR篠路駅経由、石狩市役所前経由)が運行しています。また、ご希望の方には昼食を提供することも可能です(無料)。

当院リワークの効果および実績(2023年12月末時点)

2007年の開設以降、利用していただいた方のデータは表1のようになっています(複数回利用者を含む)。

表1. 開設以後のデータ(2007~2023年まで)

利用者総数
406名
一日平均利用者
 
9.4名
復職者・再就職者
270名(約67%)
利用者の平均年齢
38.6歳
男女比
男性7:女性3
利用者の疾患
うつ病、双極性感情障害、適応障害など
利用者の職業
情報通信業、医療福祉関連、教育関連、公務員など

【2020~2022年の実績】

2020年から2022年の3年間に利用していただいた方のデータは表2のようになっています。なお、復職までに利用した平均期間は5.5ヶ月でした。

表2. 2020~2022年の利用者86名の転帰

復職・再就職
56名
(65.1%)
復職後の就労継続者数
6ヶ月経過時点
1年経過時点
46名
(82.1%)
38名
(67.9%)

“リワーク ヴィレッジ”をご利用いただくにあたって

当院のリワークプログラムはクール制(○月~○月までで1クールなど)ではなく、通年制となっています。そのためプログラムへの参加はいつからでも可能で、待ち時間がほとんど無いことがメリットとして挙げられます。
 ※治療効果を保つために利用する上での規定を設けてあります。そのためご希望に添えない場合もありますことをご了承ください。

すでに他の病院やクリニックに通院されている方へ

当院では、他院に主治医がいる場合でも主治医を変更せずにご利用いただくことも可能です。その場合、当院医師の診察によってリワーク適用かどうかを判断させていただく必要があります。もちろん当院へ転院をしてご利用いただくことも可能ですが、主治医と信頼関係が築けている場合には、主治医を変更すること自体がデメリットとなってしまうため、現在の主治医とよくご相談をお願いします。

当院リワークをご利用いただいた方の声

・『参加期間が十分だったのか』『もっと早い時期から参加できていたらまた違ったのだろうか』とか思うこともありますが、『どうしたら良いかわからない』『どうにもならない』と思うことは明らかに少なくなったと思います。
 
・仕事を休んでからは、身体は休まるけど心が休まらないことが多い日々でしたが、リワークで学んでいると生きていく上で必要なことを学べていると感じられて、働き方を見直して実際に行動に移せていると思います。
 
・最初は何となく参加していましたが、時間が経つにつれて同じ障害の方やうつなどで苦しんでいるのは自分だけではなく、皆少しずつ前進しているのを見て、後押ししていただけた。
 
・復職しようと意気込んで、産業医や職場と話を進める中、なかなか復帰に向けて物事が進んでいかなかった時に主治医の先生にリワーク通所を勧めていただきました。そのため、はじめの頃はどんよりした気持ちで通所を始めましたが、通っているうちに、どんどん元気になっていくことを実感して、自分でも驚いていました。約2ヶ月、リワークが自分の居場所のように感じていました。
 
・休職中は家に1人でいて、出かけることもなくこもりがちになることが多く、生活リズムが崩れることもあったが、リワークに通うことにより家にこもるということがなくなり、他人とのコミュニケーションを取ることが出来て良かった。自分のペースで通所ができるので、負担も少なくて良かったと感じる。

パンフレット

プログラム

リワークプログラムは、上のPDFファイルからご覧になれます。
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